「ものがたりワークショップ」は、*「ソーシャルラボ」の一環で開催された調査研究活動。五城目朝市の昔の写真を素材として、町に暮らす方々から写真にまつわる昔語りを聞き取り、生徒が現在の風景を撮影。現在から未来への物語を引き出す活動を行いました。
朝市通りは、高校生にとっては馴染みの薄い場所。地域を研究しようといっても、その調査方法は本や資料から情報を得たり、得られた情報をもとに発表資料をまとめることにとどまりがちです。そこでこのプログラムでは、写真を通じて町民への聞き取りを試みました。
写真は、被写体についての記憶や知識を持つ人にとって多くの情報が得られる視覚資料です。朝市通りの写真を町の古書店や写真館の主人と鑑賞しながら往時の話を聞くことで、生徒は「かつて朝市が賑わっていた様子」をより深く学べたのではないでしょうか。
さらにプログラムでは、活動の成果を発表資料にまとめるのではなく、生徒が現在の風景を同じ構図で撮影し、昔の写真とともに展示するというプレゼンテーション方法をとりました。撮影に先立ってはRicardo氏による撮影技術のレクチャーも行われました。成果発表にはベトナムからの学生ツアーも参加。生徒は展示された写真を使用して調査内容を報告するとともに、未来の朝市がどうあってほしいか、現在から未来への物語を参加者と共有しました。
「ものかたり」ではインタビュイーへの聞き取り、展示および発表会場を提供し、生徒のインスピレーションを刺激する役割を担いました。
*「ソーシャルラボ」は、高校生が地域を研究するプロジェクト。五城目高校と共同で、東京大学大学院研究員の工藤尚悟氏(当時)、Ricardo San Carlos氏が主催した。