2023年11月3日ー11月12日
本企画では、扱う素材や作るもの、制作の拠点も異なる3名の作家ー平川めぐみ、平井瑞季、菊地綾子が秋田を縁に繋がり、制作してきた作品の展示とワークショップが行われました。
会場では、
・香川の伝統的工芸品である保多織や紫根染などが施された服飾雑貨(平川)
・再生ガラスのオブジェや、オブジェの素材説明、制作過程等を記した冊子(平井)
・琉球時代の伝統工芸の工程を用いた真鍮やシルバーのジュエリーなど(菊地)
が展示され、同時に作品の販売も行われました。また作家と来場者の対話にも重点を置き、会期中は作家も会場に在廊しました。
「服飾デザイナー」や「工芸作家」として創作に向き合いつつも、これまでとは異なる表現の軸足を模索し続けている3人は、今回の滞在で秋田の風土や文化に触れ、来場者や県内の工芸作家との交流を通して、今後の活動に向けて新たな手がかりが得られたようです。
また展示期間中に開催されたワークショップでは、在廊する作家と一緒に作品素材を使ったものづくりができる試みを行いました。「再生ガラスのしくみを用いてオブジェを作る」ワークショップや、「思い入れのある洋服のリメイク」、「布の端材や真鍮を組み合わせて新たな装身具をつくる」といった、作家ならではの催しになりました。
会場には親子連れや裁縫に関心のある地元の方々などが訪れ、思い思いに手を動かしたり、来場者同士で教えあいながらつくる姿が見られました。日常から離れて創作に没頭することを楽しむ豊かな時間となりました。
◎作家関連情報
香川県生まれ。「ツムギ」の企画デザインを行い、新しい世代に向けイベントを中心に、各地の織のもつ魅力や人が装うことの意味を考え伝える活動を行う。
その他、ダンスや演劇など舞台衣装の制作など、ジャンルにとらわれず衣服に関わる「素材」「色」「かたち」の可能性を追求する。
愛知県出身。京都芸術大学(旧:京都造形芸術大学)、空間演出デザイン学科卒業。在学中はジュエリーデザインを専攻し、金属やガラス、自然物を素材として扱う。
タイル商社での広報・デザイナー経験を経て、現在。
秋田県五城目町出身。沖縄県に移住後、沖縄県工芸振興センター金細工研修にて金属加工の技術を学び、金工作家「imahico」として活動する。沖縄県浜比嘉島に夫婦で「galleryと暮らしの道具 hagibune」を立ち上げ、運営中。
沖縄と東北のものづくりやアートを通して繋がり、伝え合う場所を目指す。